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中央テレビ編集 


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Dr.板東のメディカルリサーチ No.244 (2026.4.1)
<お湯と水 交互に浴びて 健やかに>

 春は寒暖差が大きい季節です。暖かい日差しに心躍る一方で、環境や気温の変化に身体がついていけず体調を崩してしまうことも。季節の変わり目には自律神経のバランスが崩れ、気分のアップダウンが生じやすくなったりします。今回は、誰もが簡単にできる健やかになるコツを伝授しましょう。

<全身を 冷やし健康 短時間> 

 心身のバランスを整える方法として、全身冷却療法(whole-body cryotherapy, WBCT)が知られます。身体を短時間しっかり冷やし、医学的に「統合医療」に含まれるもの。薬や手術だけでなく、生活習慣や自然刺激を活用して健康を高めるアプローチです。本来、リウマチ患者の炎症や痛みをやわらげる目的で導入され、現在ではスポーツ選手が筋肉疲労回復や関節ケアのために取り入れています。また、わが国には、早朝に起きて冷水を浴びる習慣があり、心身を引き締める方法として有名ですね。

<まず緊張 直後に回復 すっきりと>  
 冷たい刺激を受けると身体は「交感神経」優位となり、「緊張・活動モード」で、心拍数が上がり血管が収縮します。この際ストレスホルモンのコルチゾルも分泌され、身体が温まっていくと「副交感神経」が働きリラックス・回復モードに。血流が改善し全身がゆるむように感じられるのです。この「交感神経⇔副交感神経」の切り替えが円滑に進むと気分がすっきりし、集中力の向上や、うつ傾向・不眠の改善につながります。
 この仕組みはサウナも同様です。サウナで身体を温めたあとに水風呂に入ると、急激な温度変化により自律神経が刺激され、心身がリフレッシュされることに。実は、医学の父・ヒポクラテスの時代から、寒冷療法、水療法、海洋療法、温熱療法、冷温療法などが知られ、この方法で血流を増やしあらゆる病気のケアを行ってきた歴史がみられます。

<日々継続 低温療法 長期間>
 
実は自宅でも温冷療法を活用して、身体の調子を整えられます。わざわざサウナや岩盤浴に行かなくとも良いですよ。浴槽で十分体を温めてから手や足だけに冷たい水をかけてみましょう。慣れてきたら腕や脚、体幹へ少しずつ範囲を広め、無理せず段階的に行ってみてください。  この「温冷リズム」を整えると、健やかな毎日へ近づきます。実は「入眠促進ニューロン」が活性化され、ぐっすり眠り、気持ちよく起き、前向きな気分で「なんとなく調子がいい」という感覚が芽生えるのです。
 つまり、単に病気がない状態(health)を超えて、心地よく生きる(well-being)、活力ある毎日(fitness)と広い意味でのウェルネス(wellness)につながっていきます。以上のように、冷温療法を試してみると、いろいろな効果が期待されます。いちど試してみるには、最適の季節です。いかがでしょうか?
(板東浩、医学博士、糖尿病専門医)

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