中央テレビ編集
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| ☆;今月は、徳島市民劇場3月例会の紹介から始めます。 このポスター画像は、鳴門市民劇場のウェブサイトの画像を流用しております。ChatGPTを活用して、「鳴門」を「徳島」に変更したものです。鳴門市民劇場の皆さん、無断流用になる可能性も無くはないですが、同じ運動をする立場として、御勘弁ください。 今月の例会は、劇団前進座による舞台「あかんべえ」です。前進座は昭和六年創立の歴史ある劇団で、歌舞伎の伝統を基礎にしながらも、新作や社会性のある作品に挑戦し続けてきました。全国巡演を重ね、地域の観客と向き合い続けてきた姿勢は、市民劇場の理念とも深く通じ合うものがあります。 原作は、直木賞作家・宮部みゆき氏による同名小説です。宮部氏は、時代小説や現代ミステリーなど幅広い分野で活躍し、人間の心の奥底や社会の矛盾を丁寧に描く作家として知られています。本作は江戸深川を舞台に、怪異と人情が交錯する幻想的な物語でありながら、「人はどのように生き直せるのか」という普遍的な問いを内包しています。 市民劇場の意義は、単に舞台を鑑賞する場を提供することにとどまりません。優れた演劇を地域に招き、観客一人ひとりが同じ空間で同じ時間を共有することによって、地域文化の土壌を育てていくことにあります。商業公演とは異なり、会員制で継続的に作品を観続ける仕組みは、演劇文化を支える大切な力です。 俳優の息遣い、舞台の緊張感、観客の静かな集中。その場に身を置く体験こそが、市民劇場の価値と言えるでしょう。春の例会が、皆様にとって心に残る時間となることを願っております。 ☆;中小企業省力化投資補助金の話。 舞台の感動を味わった後、現実の経営現場に戻ると、そこにはまた別の“真剣勝負”があります。人手不足、原材料高、賃上げ圧力――。地域の事業者が直面する課題は決して軽くありません。 久しぶりに、その課題と真正面から向き合う補助金申請の現場に立ち会いました。それが、中小企業省力化投資補助金です。久しぶりに補助金申請作業のお手伝いをしました。旧知の友人であったので、切磋琢磨の日々となりました。 かつては、「ものづくり補助金」のお手伝いは多くあったのですが、この補助金は始めての経験でした。 よって、かなりの苦労もあったものです。 かつて多く関わってきた「ものづくり補助金」と比較すると、この中小企業省力化投資補助金(一般型)は、その主旨がやや異なります。ものづくり補助金が、新製品・新サービス開発や付加価値向上を主軸とした“攻め”の投資を支援する制度であるのに対し、省力化投資補助金は、人手不足や生産性向上といった現実的課題に対応する“守りと体質強化”の色彩が濃い制度と言えるでしょう。設備導入そのものよりも、その結果としてどれだけ労働時間が削減されるのか、どの程度の付加価値増加が見込めるのか、といった数値的裏付けが重視されている点が特徴です。 実際の申請手続きにおいても、その違いは顕著でした。ものづくり補助金では、事業ストーリーや市場性、技術的優位性の記述に力点が置かれますが、省力化投資補助金では、数値要件の整理が極めて重要です。労働時間削減率、付加価値額の伸び率、投資回収見込みなど、多くの定量項目を整合的に積み上げる必要があります。細かなエクセル入力や添付書類の整備にも手間を要し、正直なところ、書類作成作業そのものに相当な時間を割くことになりました。 制度趣旨は明快です。限られた人材で持続可能な経営体質を築くための支援策です。しかし、その理念を数字で証明する作業は決して容易ではありません。久しぶりの補助金申請支援は、制度の進化と同時に、行政側の“数値で語れ”という姿勢の強まりを実感する機会ともなりました。 ☆;結びです。 演劇の舞台も、企業経営も、そして税務申告も、突き詰めれば「積み重ね」の営みです。華やかな成果の裏には、地道な準備と細かな作業が存在します。市民劇場が継続の力で文化を支えているように、地域企業もまた日々の努力によって存続しています。 さて、三月といえば確定申告の季節です。本稿を書いている時点でも、実は細かな整理作業に手間取りながらパソコンと向き合っております。毎年のことながら、制度の変更や細部の確認作業には神経を使います。補助金申請も税務処理も、結局は「数字と向き合う覚悟」が求められるのだと痛感しております。 文化の話から経営の話まで、今月も話題は多岐にわたりました。四月以降も、地域経済と生成AI、そしてお金の話題を軸に、実務の現場から感じたことをお伝えしてまいります。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。 |