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中央テレビ編集 


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◆ 今月は、市民劇場の月次例会の紹介をさせていただきます。


 2022年11月以来の俳優座劇場プロデュースの舞台です。劇場運営事業としての俳優座劇場は、本年4月19日に閉館しています。ここでは、長きにわたり日本の演劇界を支えてきた(株)俳優座劇場の歴史と概要、そして2025年の閉館に至る経緯、閉館後の事業展開について記述してみます。閉館がもたらす演劇界への影響、そして今後の展望も気になるものです。

 俳優座劇場の歴史と概要

設立と初期;俳優座劇場は、劇団俳優座の創立10周年事業として1954年4月20日に開場しました。それまで新劇公演の中心的な劇場であった三越劇場の夜間興行中止を受け、劇団俳優座の千田是也、小沢栄太郎らが中心となり、俳優らが資金集めに尽力して建設されました。戦後の新劇ブームを牽引し、多くの名演を生み出してきました。

 物理的な劇場の推移

俳優座劇場は、1954年に六本木という一等地に誕生しました。戦前は旧陸軍、戦後は進駐軍の施設が立つ「軍の街」であった六本木において、演劇の拠点としての役割を担ってきました。単に演劇を上演する場所としてだけでなく、文学や芸術の実験の場でもあったとされています。現在のビルは1980年に再建設されたものです。

 閉館の詳細と背景
俳優座劇場は、2025年4月19日に閉館しました。1954年の開館以来、71年間の歴史に幕を下ろしました。閉館の主な理由としては、施設の老朽化が挙げられています。現在のビルは1980年に再建設されたものですが、それでも築40年以上が経過し、設備の老朽化が進んでいました。また、新型コロナウイルス感染症の影響により、収支が厳しくなったことも閉館の大きな要因とされています。六本木という一等地にありながら、施設の維持管理費や運営費が収益を圧迫していたと考えられます。

 今後の事業展開
株式会社俳優座劇場は、物理的な劇場が閉館した後も、事業を継続しています。閉館後の2025年4月24日には、吉本興業が俳優座劇場の跡地に「YOSHIMOTO ROPPONGI THEATER」を7月上旬に開場すると発表しました。吉本興業は、俳優座劇場の舞台や客席などをほぼそのまま活用するとのことです。次サイト参照 https://roppongi.yoshimoto.co.jp/


 株式会社俳優座劇場は、この吉本興業による新劇場とは一切関与しないと発表しています。一方、株式会社俳優座劇場は、劇場部門を撤退し、今後は越谷本社にて「演劇制作課」として「俳優座劇場プロデュース」事業を継続していく方針です。また、2025年6月2日には、舞台装置仮組施設「Theatre Zero」の竣工を発表しており、「付加価値の創造」と「人材の育成」に注力していくとしています。劇団俳優座も、新年度に研究生の準劇団員への昇格や、劇団員の昇格を発表しており、劇団としての活動は継続していくようです。俳優座劇場の閉館は、日本の演劇界にとって一つの時代の終焉を意味するものでしたが、株式会社俳優座劇場および劇団俳優座は、形を変えながらも演劇活動を継続していく姿勢を示しています。物理的な劇場はなくなりましたが、その精神と培われた経験は、新たな形で次世代へと引き継がれていくことでしょう。特に、株式会社俳優座劇場が「演劇制作課」としてプロデュース事業に注力し、新たな施設を設けることは、今後の演劇界における新たな可能性を示唆しています。

 俳優座劇場プロディース123「夜の来訪者」について

今月の市民劇場の例会です。イギリスの劇作家J・B・プリーストリィによる社会派ミステリー作品です。日本では「夜の訪問者」と表記されることもありますが、正式なタイトルは「夜の来訪者」です。

 あらすじ
物語は1940年(昭和15年)の春、裕福な倉持家で展開されます。娘の婚約者を迎え、一家団欒の夜を過ごしていた倉持家に、突然「影山」と名乗る警部が訪れます。影山警部は、ある女性の自殺について告げ、倉持家の家族一人ひとりに質問を重ねていきます。この尋問を通じて、家族それぞれがその女性の死に何らかの形で関わっていたことが明らかになっていきます。息もつかせぬ展開と、最後に用意された大どんでん返しが特徴の作品です。

 作品のテーマ

この作品は単なるミステリーに留まらず、個人の責任、社会的な階級、そして人間の倫理観といった深いテーマを扱っています。裕福な家庭のメンバーが、自分たちの行動が他者に与える影響について向き合わされる過程が描かれており、観客に社会的なメッセージを問いかけます。

 俳優座での上演

俳優座劇場では、過去にもこの作品が上演されており、2022年3月にも公演が行われました。今回の「俳優座プロデュース123」は、その再演または新たなプロデュース公演として位置づけられています。豪華な舞台セットも特徴の一つであり、昭和初期の富裕層の生活空間が再現されているとのことです。公演を待ちたいものです。

◆ ChatGPT-5 がリリースされました。

ChatGPT-5 が使えるようになりました。8月7日のことです。いろんなモデルが混在していた現状をGPT-5に集約されたということです。カットオーバー時に謳われていたことをまとめてみます。

高度な推論能力(Chain of Thought)
複数ステップのロジック処理や複雑な思考に対応できるよう、深層推論モデル(thinking モデル)と高速応答モデルが統合されたシステムを持ち、リアルタイムで最適なモデルにルーティングされる仕組みです。
高いプログラミング性能
複雑なフロントエンドや大規模プロジェクトのコード生成・デバッグに優れ、比較ベンチマークでは ICE ベンチ Verified で 74.9% を達成。他社の AI を上回る成果を示しています
創造性のある文章・詩作成能力
抽象的・詩的表現において、より深みや比喩を含んだ文章を生成でき、GPT 4o よりも描写力・構成力に優れます。
医療・ヘルス関連応答の精度向上
HealthBench や HealthBench Hard で高評価を獲得。誤情報を訂正したり、より安全に対話できる設計です。 • 多模式(マルチモーダル)対応強化 テキスト・画像・音声などの入力をさらに高度に扱えるようになり、逐次切り替えや複合入力への応答精度が向上しています。
高速かつ柔軟な応答と安全性
応答速度が向上し、ハルシネーション(虚偽情報生成)の頻度や傾向、欺瞞行動が大幅に低減されています。
統一プラットフォームとしての設計
GPT 5 は複数モデルの集合体として機能し、従来のモデル群を統合し、タスクに応じて最適な振る舞いを自動選択します。

 良いことばかりのようですが、案外、インタフェース面で不満も多かったのでしょう。現在では、レガシーモデルとしてGPT-4Oも選択して利用できるようになってます。次図 。


 約20日の運用で、以下のような問題点・改善点が挙げられています。


 コーディング能力も試してみました。こんなゲームが作成できました。


 従来の認識では、実際の実行は出来ないものということでしたので聴いてみました。


 そんなものでしょうか?私のプロンプト作成能力に問題があったのでしょうか?奇妙なものです。あまり、深刻に考えずに切磋琢磨に務めたいと思っております。