HOME > 連載コラム

中央テレビ編集 


<< 先月のコラムへ    トップへ    >> 次月のコラムへ


◆ 成AI界隈が激しく動いています。画像生成能力の圧倒的進化です。

 先月号では、GOOGLEのTitansによる長期記憶保持管理の仕組みと、MANUSという中国製のAIサービスの内容について触れました。先月号の出稿が完了した後3月25日頃、OpenAI社より新しいGPTのモデルがリリースされました。モデルの性能の向上は当然ですが、とりわけ衝撃的であったのは、画像生成の「凄さ」です。それまで、画像生成については、ChatGPT内でDALI3というモデルが提供されていたのですが、AI独特の雰囲気もあり、一般受けはされない程度のものだったのです。次の画像をご覧ください。


 X(旧TWITTER)のプロフィール写真です。OpenAI社のCEOであるSamAltman氏のプロフィール写真です。実物写真を次にしめします。有名人ですから、一度は目にした人物でしょう。つまり、実物の写真を一定の意味を持たせて画像に変更できる機能を新モデルは持っているのです。  
 *写真の著作権、肖像権などが気になりますが、著名人として例外対応になるという運用にしたいと思っております。



 私、個人でも試してみました。作業としては、実物写真をアップした上で、「ジブリ風に変換して、背景は透過色にしてください。」というプロンプトを打てば、約1分間程度で作成してくれました。SNSのプロフィール画像の完成です。ジブリ風ということで、何となく作品群のイメージが残っていませんでしょうか?サム・アルトマン氏の画像もその手法で作成されたものなのです。  
 このモデルのリリースによって、ChatGPT有料版の利用者が激増したと聞きます。単純な操作、良好なコンテンツ作成という直接的な訴求力の結果というべきでしょう。


 他の写真でも試してみました。但し、肖像権などの問題もあります。ここでは問題なさそうな一枚をアップしてみます。知人のインスタグラムのプロフィール写真をジブリ風に加工したものです。可愛いのは当然として、凛として将来を見据えるような力強さを感じます。今回はあえて、出典先は明記しません。気になる方は私のSNSを巡回してみて下さい。原画に出会える筈です。


 そこで気になるのは肖像権、版権問題です。「ジブリ風」表現に関する法的解釈について、MANUSに確認してみました。他の複数のチャットボットの回答もよく似たものでした。

*******************************************
 スタイル(作風)の模倣と表現の類似について;
 スタイル(作風)の模倣:スタジオジブリの特定作品の「特定の画像」と似ているわけではなく、色合いやタッチ、モチーフなどについて、人々が「ジブリ作品風だな」と感じる程度である場合、これは「スタイル(作風)の模倣」と呼ばれます。いわば着想の模倣であり、アイデアの類似です。この場合、人の手によるか、AIによるかを問わず、著作権侵害ではないというのが、現在の世界的な通説です。
 表現の類似:「スタイルの模倣」を超えて、特定の画像と構図や色彩、描線などが類似してくると、これはアイデアではなく「表現の類似」となります。人の創作的な表現を無断で模倣すると、原則として著作権侵害となります。
 つまり、アイデアは模倣自由であり、それを超えた特徴的表現の模倣は自由ではない、これが現在の世界の著作権の基本ルールです。
*******************************************

 簡単に云えば、ジブリ作品の中で登場するキャラクターに似ていなければ問題ないでしょう。それでも、ジブリの宮崎駿さんは、AIに懐疑的とも云われています。「ジブリ風」ではなく、「アニメ風」という表現でトラブルを避けるのが好ましいかも知れません。今後の動向が見逃せません。

◆ 地味かも知れませんが、ChatGPTの実直な進化も進んでいます。

 4月12日、ChatGPTの操作画面を開いたところ、以下のメッセージが出力されました。


 要するに、利用者との過去の会話を覚えていて、現在の会話に反映されるということです。先月号で言及した長期記憶の改善に繋がる仕組みである「Google Titans」の先取りと言っても良い筈です。競合先のリリース記事の先回りマーケティングということでしょう。 先月号には私の問題意識も説明してあります。余裕のある方は、御覧ください。

◆ ChatGPTに続々と新しいモデルが導入されています。

 数日前の話です。初期画面を開いたところ、新しいGPTのバージョンが追加されていました(次図)。激しい変化です。付いて行けませんね。 o3以降が新しいモデルです。何が違うのでしょうか?



 ChatGPTに整理させました。網羅的になっては分かりにくいのでパイソンコード関連について絞りました。


 従来より気になっているChatGPT内部でのプログラム実行処理が可能ということなのでしょう。大規模バッチ処理などにも対応できるということにもなります。この進展レベル、恐ろしささえも感じられます。かつて、システム部門に属し、大型汎用機の運用に係わっていた身分としては、感嘆とともに畏怖にも駆られています。『ここまで来たのか!!』という思いです。
 実際にシステム構築し、実行に及んでみたいという希望もありますが、やや、自分の能力にも不安を持ってます。但し、興味は尽きません。老躯に鞭打ち頑張りますので宜しくお願いします。