HOME > 連載コラム

中央テレビ編集 


<< 先月のコラムへ    トップへ    >> 次月のコラムへ


◆3月です。年度の区切りです。確定申告、お金の話です。

 毎年のことですが、1年間の会計業務を一気に行いました。収入、経費ともに月別に封筒に保管してはいるのですが、仕訳・記帳処理を一括に行うという苦役に従事したものです。
 よって、確定申告も、ほぼ完了しました。昨年度よりインボイス事業者となっておりましたが、大口の財産投資があり、消費税は還付となっておりました。今年は、消費税の始めての納税となりました。抑々、消費税は顧客からの預かり資金なのですが、実際に納税となると、やや複雑な気分になるものです。実務処理についても経過措置等々があり、複雑な作業も伴いました。通常の事業者さまにとっても大変な業務負担になる筈です。御苦労を忍びます。
 毎年、国税庁の確定申告コーナーを活用しているのですが、毎年、仕様が変わります。改善されてはいる筈なのですが、処理フローが毎年、異なっているのです。一番、困ったことは、申告書のイメージ(次図)を見ながら入力作業を行うという昨年までの機能が無くなっているのです。 昨年までは、申告書の書式がメニューとなっており、タップによって詳細データの入力が行えるという便利なものでした。今年分からは、その機能がありません。ユーザーインタフェースは改悪されているということです。


 気になったので、件のDEEPSEEK に照会を掛けてみました。


 同じことをChatGPTに確認してみました。


 クロスキャットは、富士通グループのソフトウェア業者です。大手ベンダー3社の協力体制ということが見て取れます。DEEPSEEKとChatGPTでは、後者の方が現状では満足できる回答が得られたということです。
 *但し、プロンプト作成能力、有料版、無料版の違いはあるやも知れません。厳密な検証作業ではありませんので御容赦ください。

◆引き続き、お金の話です。金融資産ピラミッドの話です。

 2月13日、野村総合研究所よりプレスリリースがありました。曰く;

*****************************************************
野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計
~前回推計(2021年)に比べ、世帯数は約11%、資産総額は約29%増加。「いつの間にか富裕層」など新たなトレンドも発生~
*****************************************************

  この研究資料、様々な場面で紹介されてきました。今回のデータは2023年の再集計となります。次のようなピラミッド型の図を見たことがある方も多いのではないでしょうか?このコラム内でも幾度も言及してきました。


 簡単に説明すると金融資産1億円以上を持っている世帯は全世帯の約3%ということです。半面、3千万円以下のマス層は80%ということになります。日本国全体を100世帯の社会に見なすと3世帯は1億円以上のお金持ち、80世帯は普通の世帯ということになります。 次図は同研究所の2021年版の図です。


 2つの図式を比較すれば、ニュースリリースの意味が見えて来ます。更に、富裕層が11%も増えているにかかわらず、マス層も若干の増加があることが見えます。端的に見えるのはアッパーマス層が減っていることです。俗に云う2極化、格差社会の進行という現象が見えてきます。この傾向は従来より継続しています。詳細は同研究所のサイトをご覧ください。
 ここでは、月並みなことですが、ピケティの議論を紹介するに留めます。曰く;

***************************************
経済成長率(g)と資本収益率(r)が異なるとき、資本収益率(r)が成長率(g)を上回る場合、富の集中はますます進む。
これは、特に高い資本(富)を持っている層がますます有利な立場に立つことを意味し、経済的不平等が拡大するという現象です。
これが所謂  r>g の法則。ピケティの法則と言われるものです。
***************************************

 資本主義的生産方式の本質かも知れません。但し、この法則が貫徹される社会は、どのような結末?を迎えるのでしょうか?慎重に生き抜きたいものです。
 本年度は御世話になりました。4月以降も、お金・生成AIの話題を中心に進めたいと思っております。宜しくお願いします。