HOME > 連載コラム

中央テレビ編集 


<< 先月のコラムへ    トップへ    >> 次月のコラムへ

IT、ICT、AI な話

◆ 新年度です。祝20周年達成。新な20周年へ向かいます。

 新しい年度が始まります。
 このコラムを「徳島エコノミージャーナル」に寄稿を始めたのが、2001年4月号でした。当時は、「動かないコンピュータ」をテーマにした論考が中心でした。今回の投稿で満20年を超えたことになります。謂わば成人式を迎えた青年ということでしょうか?その間、一度も欠稿を起こしておりません。立派なものですと自画自賛する日々です。
 その間には、いろいろなことがありました。地域経済誌という先進的な取り組みではあったのですが、メジャー誌との競合もあり発行部数も低下し、経営的に問題が出たようです。救済の手を差し伸べたのが現在の日本中央テレビでした。その後、紙面を維持することに無理があり、ネット専門誌として存続していたのですが、数年前に、現在の形となったのです。何はともあれ、投稿の場所を確保していただいた経営陣・業務部門の皆様に感謝したいと思います。そして何より読者の諸兄の皆様、今後とも宜しく御願いします。

◆ この20年に主張してきたこと、その1

 難しい主張、世界観ではなく、趣味としての端末(最近ではスマホと呼ばれます)についての紹介を行いました。
 ブラックベリーという端末を御存知でしょうか?90年代、この端末を持つことが知的エリートとされた頃がありました。小型のマシンを好んで使っていた私などの垂涎の的でした。昨年、Titan(下図右端)を手に入れ、現在3台で運用しております。共通点は、物理キーボードを持つ縦長のスマートフォンということでしょう。


 これらの端末の前史は、富士通のオアシスポケット(下記)より始まります。残念ながらヒンジが壊れてしまい現物は残っておりません。画像は、富士通のサイトよりお借りしたものです。今はなき小型のオアシスワープロの機器でしたが、言語処理が出来るという特長も持っていました。この機器で、MS-DOSを実機として使ったことより私のITCの世界は始まったのです。その後、携帯電話の普及により音声通話・電子通信合体型に興味は移り、現在のQWERTY端末に至っているのです。この20年間、紹介してきたテーマです。


◆ この20年に主張してきたこと、その2

 テーマは飛躍します。私自身は中小企業診断士であり、経営コンサルを生業としています。但し、実際に中小企業の経営者の皆さんと対する時、対応の手法には個々人によって大きな差異が生じます。端的な言葉であえて表現すると・・
 ・中小企業の存在を称え、宝物として扱うのか?
 ・存在自体が問題として課題解決(集中・集積)を目指すのか?
という区分けが出来るのです。最近、国会等で論難されているデビット・アトキンソンさんは、後者の立場よりの論客で知られています。氏は、現総理大臣の菅氏のブレーンとして知られてもおり、観光立国の主張者でもあります。氏のインバウンド政策により恩恵を受けた事業者も多く、説得力のある論議を展開されています。氏の生産性立国論(下図)では、中小企業の整理、統廃合による日本国の経済力の向上を訴えておられます。また、「昭和35年の中小企業基本法が日本を駄目にした」との主張もあるのです。


 かなりな極論をお持ちのようですが、頗る説得力があります。是非、御一読下さい。  
 但し、私自身としては、そんな簡単には割り切れません。やはり日本社会の構造より将来を見通したいと思うところです。次に紹介するのは、大学時代の恩師である山崎隆三氏による書籍です。氏は10年前に死去されていますが、学窓の一時期、お世話になった先生なのです。日本資本主義をどう捉えるのか?中小企業の存在をどのように捉えるのか?原点は、この論争にあると思っております。主に社会主義陣営の中で第二次世界大戦前・中での論争ですが、中小企業を民主主義の担い手とするのか?過渡的な形態であり、消滅の運命にあるのか?という論点で闘われたものです。この話題、各セミナーなどで紹介させていただいております。傍論として取り上げることが多いのですが、本音としては、掘り下げてみたいテーマです。

     

 現在、日本の法制度では「中小企業基本法」と「小規模企業振興基本法」という「基本法」が存在しています。法制度的には一体のようですが、個人的な見解では、やや、立場が異なるのでは?という印象を持っています。あまり話題にはなりませんが、アトキンソン氏の主張は前者の基本法(1999年改正版)に近いのでは?という印象も持っています。このテーマ、職業観に影響も与えます。引き続き追求したいと思っております。

◆ 今年の話題;事業再構築補助金

 この3月26日、事業再構築補助金の公募が開始されました。但し、申請書式等の公開もなされておりません。コロナ問題、中小企業政策の在り方等の混濁の中で、事務方の業務の遅れがあるように思います。今後も追跡したいと思っております。  
 新しい20年に向けての出発です。皆さん宜しく御願いします。