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中央テレビ編集 


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IT、ICT、AI な話

◆ 新しい年です。しかしながら。。。。

 この数年は、経済社会の変動の頃であったと思います。
 一昨年の2019年を振り返ると、電子化(キャッシュレス化)やインターネットサービス&コンテンツ、SNSキャンペーンなど、テクノロジーを基盤としたデジタル方面での変革がたくさん起きました。その上で2020年の冒頭には、ブロックチェーンやIoT、AIなどを筆頭に、テクノロジーが社会を変えていくことを予測しました。確かに、その予想は外れることはありませんでした。加えて、このコラムでの基本テーマであるITというより人間論、社会論についての言及も行うつもりでありました。
 然しながら、実際、この1年、このコラムの中心話題は「新型コロナウィルス」という妖怪でした。かつて、人類は感染症には勝利したのだという幻想が漂っておりました。ペスト、天然痘、コレラ・・は、歴史の教科書に出てくる史実以外の何物でもないという解釈が罷り通っておりました。人類の次の課題は、癌、糖尿病、高血圧などの慢性疾患の克服であるという認識が一般的になっていたわけです。そんな時、コロナウィルスの襲来があったのです。人類の傲慢さを思い知らされた事件として将来の歴史教科書は語ることでしょう。
 何はともあれ、新年を迎えます。この場を借りて新年の挨拶を行いたいと思います。干支にあるように、本年は、「辛丑(かのと・うし)」です。「辛」は痛みを伴う幕引き、「丑」は殻を破ろうとする命の息吹、そして希望です。痛みを伴う衰退と、新たな息吹が互いに増強し合う年になると予想します。コロナウィルスという痛みにより社会は衰退するかも知れません。反面、新たな希望が見えてくる年であることを期待します。本年も宜しく御願いします。


◆ 人間論、その1.徳島市民劇場

 昨年は、労演(勤労者演劇協会)市民劇場の活動にとっても危機的な状況でした。数回の例会は、中止・延期になりました。リアルな舞台には観客席を必要とします。まさに密な空間そのものです。会員数も減少し、存続の危機にもあるかも知れません。私自身も当団体の役員経験も少々あります。会員数の維持に尽力する役員の皆様の労苦を忍びます。私としては、昨年は、実際に舞台を観たのは1度だけでした。観えなかったというべきでしょうが、会費だけは入金に及んでおります。今年こそは、可能な限り例会に参加したいと思っております。  
 さて、本年の最初の例会を紹介したいと思います。
 新劇界の老舗、俳優座の作品です。『樫の木坂四姉妹』、『母さん』の堀江安夫が、あの大震災を契機に、天災・戦争を問わず、生きることを奪われた人々の魂がどうなったのかを思い描き書き下ろした作品です。実力ある俳優陣と眞鍋卓嗣の演出です。東北の震災より今年で10年になります。危機における人間論・社会論に満ちていると期待しています。コロナの時代に生きる私達にとって、心の茨を溶かしてくれることがあれば素晴らしいことです。

=  以下、劇団チラシよりの紹介、例会ポスターです。  =  

     舞台は2014年、東日本大震災から3年目を迎えようとしている春浅き2月の下旬。
     東北は岩手県の海岸にある旅館「清和館」。
     その女将・いわねと夫・清介、宿泊者の陽造、裕子らには言葉につくせぬ過去があった。
     ある日、遍路姿をした透が投宿したことをきっかけに、それぞれの過去が明らかになっていく。
     家族を失った少女・ジュンの民謡の唄声は、何かを懸命に待ち続けているように響く――。。


◆ 人間論、その2.新しい中小企業論

  紙媒体でのエコノミージャーナルの時代より紹介してきた議論は、
① ロバート・キヨサキのお金の話
② 「日本文化論」
が中心でした。①はお金の扱い②は日本社会の特殊性の解釈に伴うものです。何故、日本は太平洋戦争に敗れたのか?何故、負ける戦争に向かったのか?その日本が、戦争後の高度成長を成しえた要因は何なのか?そして何より、何故、日本は、生産性の低い国になり果てたのか?ものづくり日本は、どこへ行ってしまったのか?今後、私達が高生産性を確保するためには何をすれば良いのでしょうか?
等の論議を進めて来ました。
③ デービット・アトキンソン氏の中小企業論
に興味を持っています。氏の著作物は、このコラムでも一部紹介させていただきました。氏の議論(中小企業数は多すぎる等)は、多くの方より批判を受けています。曰く、中小企業の敵、社会を崩壊させようとしている。貧乏人の敵、新自由主義者、ゴリゴリの保守主義者・・・等々。
 かつての講座派マルキスト(私のことです。)として先頭を切って反論すべきなのかも知れません。しかしながら、氏の議論の中に観光立国論もあります。インバウンドを推進、先導した阿部政権のブレーンでもありました。恩恵を受けた中小企業者も多い筈です。ものづくり日本を復活させるためには何をするべきなのか?氏の議論の中に一筋の光明が見えてくるような印象を持っています。今後もこのコラムで紹介して行きたいと思っております。宜しく御願いします。