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中央テレビ編集 


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Dr.板東のメディカルリサーチ No.210
<ビジョンあり ミッション進める パッションで>

 あなたにとってのビジョンとは? テレビ(television)とは、映像や音声を離れた場所で再現する機器。 ビジョン(vision)とは目に見えるもの、視覚を意味する。日常的には「将来の展望」を尋ねる際に使われてきた。本来visionとは、視覚で感じてはいるが、幻や幻視、幻影、夢想、空想というように、実際には見えないものも包含している。机の上にある本やPCなどは形があり手で触れられる実像だ。一方、PC画面に映っているのは、現在・過去・未来すべての時空を超えた虚像ともいえよう。

◆語ろうよ 今後のビジョン どうなるか
 いまや世界も日本も混沌とした状況にある。国際的な平和の維持、経済の発展、人々の暮らし、健やかな心身の維持などがポイントとなる。SGDsには持続可能な未来へ向けた取り組みが要約されているので、考えるヒントになろう。SGDsでは17の目標が設定されており、欧米のデジタル社会や言語ではよい方法だ。箇条書きに示す方法により、各項目が理解しやすくなる。一方、アナログ社会で発展してきた日本人は全体的な理解と適切なマネージメントが秀逸とされる。そこには社会の基礎である人間関係を円滑にできる技がある。個人や各組織、仕事の状況など各要素を把握した上で、すべてを包括してバランスよくまとめることができるだろう。今後、日本が国際舞台の場で果たす役割は大きいと思われる。

◆あのMission Impossibleは 可能なり
 映画の題名[ Mission Impossible ]は、不可能な特命という意味だ。しかし、関連する人や組織、仕事を上手に調整し、わずかな点[ ’ ]を入れるだけで、どんな任務や使命でも[ I’m possible ]となるだろう。要は工夫である。人間学を基盤として、どんな専門領域でもチームワークにより、協働作業で問題を解決し展開していけそうだ。ビジョンとミッションを理解し、展開させていくには何が必要だろうか?

◆心身も 社会もPassion 将来へ
 国際医学会などで、しばしば感じることがある。諸外国の発表者は常に情熱(パッション)をもって語り、行動・成果を出しているようだ。そのPassionの熱量が大きく、周囲に直に伝わっていく。知識・技能・態度・行動という流れの中で参考にしたい。
 私が大好きなベートーヴェンのピアノソナタで 「熱情(アパッショナータ、Apassionata)」 が知られる。最も情熱が高まる部分の楽譜だ。当時、この曲は世間の人々の心を震わせ鼓舞したであろう。まだコロナ禍の影響がみられ、職場や家庭、趣味にパッションを感じ、実践している人は限られているかもしれない。
 なお、Vision, Mission, Passionで行動する際、今後大切なポイントが価値(Values)である。つまり、「何のためか、誰のためか、妥当な方法か」などを常に考えておいてほしいと思う。誰もが自分の人生を大切に考えながら、いろいろとチャレンジしてほしいと祈っている。

(板東浩、医学博士、ピアニスト、https://www.pianomed.org/

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