◆我が国で 生まれたikigai グローバル
あなたは日々の生活で、「生き甲斐」を感じているだろうか? 生き甲斐の概念は、そもそも日本で生まれ、何となく曖昧なものとして捉えられてきた。最近、日本の概念「生きがい」は、国際的に“ikigai”として広く知られることに。このようなファジーな概念を説明するときには、英語も併せて使うと、わかりやすい。今回は生き甲斐につ いて触れてみたい。
◆価値プラス 目的理由 生き甲斐に
生き甲斐とは、「生きる」と「甲斐」:iki (to live, life)+gai (to be worthwhile)を合わせたもの。生きていく上で何か価値を認識するものとなろう。英語で伝えるときには、生きる価値(life
worth living)、人生の目的(purpose in life)、人生の理由(reason for life)というように訳されてきた。ただ、どれか一つではうまく意味をカバーできない。三者を合わせると全体的なニュアンスがわかるような気がする。なお、今まで専門領域でしばしば使用されてきた のは、フランス語で「raison de vivre」(生きる理由)、または「raison d’etre」(レーゾン・デートル、= reason
of being、存在理由)であった。
◆日本語で しか表現できない
歴史的に、精神科医の神谷美恵子氏が最初に日本の文化と文学の領域に生きがいの概念を導入した(1966)。当初から、日本語でしか表現できない独特の言葉となると把握しておられた。生き甲斐とは、人生における動機や意味、価値を組み合わせた複合構造である。この深みがある概念は、いままで医療や心療内科、心身医学、芸術文化の分野で使われており、近年、取り上げられている。
◆さて、あなた、どんな生き甲斐 ありますか
日本よりも、海外で先に「生き甲斐」が注目された。西洋は白か黒か、YesかNoか、良いか悪いかというように二元論の考え方が多い。一方、東洋では直線ではなく平面や二次元で表現されたりする。右図のように、ikigaiについて、多面的にまとめられている。外側の4つは、好きなこと、必要なもの、お金を費やすもの、得意なもの。そして、その内側には、使命、天職、職業、情熱が位置している。
他方、あなたが生き甲斐を感じているものに対しては、「朝早く起きる理由」になるともいわれる。なお、生き甲斐とは「働き甲斐」とも言い換えられるだろう。さらに、[働く]という概念は広く、自分のためよりも、むしろ周囲の人々、家族や組織、社会のために汗水たらして身体も心も動かすということだ。なお、[はたらく]とは、[はた](端、周囲)の人々を[らく](楽)にさせると意味合いが含まれているのを、ずっと以前から知られている。
いちど、あなたの「生き甲斐」について、この図に当てはめて、考えてみてはいかがだろうか?
(板東浩、医学博士、ピアニスト、https://www.pianomed.org/ )
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