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中央テレビ編集 


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Dr.板東のメディカルリサーチ No.192
<短期的 著減の理由 解析中>

 新型コロナ感染症(COVID-19)は世界的に甚大な問題である。最近、患者数の増加がみられるため、再度ロックダウンを行なう国々もみられる。我が国では2021年7-9月に東京オリンピックとパラリンピックが無事終了した。その後10-11月には国内の新規患者数が激減し、11月上旬には安定した。これらの概要を記する。

COVID 国際的に 比較でき
  11月上旬における世界および日本、東京のデータを示す。11月4-5日までの世界と我が国の状況を比較した(
図1)。10月中旬から東京における1週間単位の新患者数は、1日あたり、34、24、19人と次第に減少。11月6日には20都道府県で新患者数は0人となった(図2)。さらに、翌7日には15か月ぶりに国内死亡者が0人に。これらは専門家が予想していた以上の減少だ。

本邦の 状況世界の 参考に
  筆者は今までCOVID-19の英語論文を10数個まとめており、今回の結果を直ちに世界に発信する意義があると考えた。編集部を説得し、短期間にインターネット上にアップロードされた(
図3)。関係者に連絡したところ、迅速な発信に対していろいろな反応を賜った。

様々な 因子相互に 関連し
 引き続いて、11月下旬には様々な動向が認められた。諸外国ではさらに感染状況の増悪がみられる国もある。一方、本邦ではさらに減少傾向が見られ11月24日の47都道府県の状況を
図4に示した。その中で、31都道府県で新患者数が0となっている。
 なお、日本で著明に減少した原因については、専門家でも明確な回答は難しい。可能性として、①ワクチン接種率が高い、②国民がマスク装着やマイルドなロックダウンに協力している理解力や協力度、民度のレベルが高い、③ウイルス自体の毒性や感染力、臨床症状の発現、人から人への感染のリスク変容など、多くのファクターが絡んでいると推測される。

(板東浩、医学博士、ピアニスト、https://www.pianomed.org/

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