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中央テレビ編集 


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Dr.板東のメディカルリサーチ No.161
<世界では 統合医療へ 移行中>

 病気を治したり、いろいろな症状を緩和したりする方法には、「対症療法」と「原因療法」が含まれています。 これまで、多くの医療機関などで実践されてきた医療は、「対症療法」を中心とした近代西洋医学を根本としてきました。
  しかし昨今、国際的な医療の趨勢は、単に病だけではなく、人間の心身全体を診る「原因療法」を中心とした「統合医療」に急速に移行してきています。この統合医療の中には、世界各国に存在する伝統医学や相補・代替医療が含まれています。
 統合医療とは、これらの療法を統合することによって両者の特性を最大限に活かし、一人ひとりの患者に最も適切な『オーダーメイド医療』を提供しようとするものです。

未来型 医療は未病に 健康ゾーン
 日本統合医療学会・四国支部では医学会の活動を従来続けてきました。このたび四国で高知県支部が設立され、記念講演会が開催。その中で仁田進一前理事長が基調講演を担当され、統合医療が未来型医療であること、健康ゾーン、未病ゾーン、罹病ゾーンがあること、国民それぞれが役割を有することなどを解説くださいました。  世界には様々な医療が存在し、いくつかのグループに分けられます。心と体への介入には音楽療法や芸術療法、瞑想などが含まれるのです。特に音楽は人の心に対して、いずれのレベルにも直接働きかけるため、素晴らしいパワーを秘めています。


病気だけ 診ずに患者 全体を
 実は、統合医療やプライマリ・ケア医学、全人的医療、心身医療では、生物・心理・社会的な物差しが重要です。複眼的・多面的な視点で判断します。すなわち、病気だけ診ずに、患者を一個の人間として全体像を捉えて考えているのです。
 このように、統合医療は守備範囲が広く、また奥深いものです。今後の発展を楽しみにしています。

(板東浩、医学博士、ピアニスト、https://www.pianomed.org/

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