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中央テレビ編集 


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Dr.板東のメディカルリサーチ No.159
<平安な 心へ導く 音楽力>

 音楽評論家で作詞家であり、若かりしころからジャズにも親しみ、ディスク・ジョッキーや多くの著作など幅広くご活躍されてこられた湯川れい子先生。音楽療法学会の理事としても、国内の音楽療法の発展に貢献されてきた。以前「新老人の会」徳島支部における企画でも、ご講演をくださったこともある。その際には、音楽が私たちの心に与える素晴らしい効果についてお話しくださった。
 著書「音楽力」の中では、私たちが上手に音楽を活用するコツが解りやすく解説されている。音楽療法の研究から、音楽は私たちの心に対して、幸福感とリラックス度を増し、緊張や不安、疲労、イライラ感を弱めるという。このように感じた経験が、多くの方々にあるのではないだろうか。

毎日の 生活習慣で 健やかに 
 聖路加国際病院の日野原重明先生が、主宰・発展させてこられた「新老人の会」のお世話を、筆者は現在まで担当してきている。このたび、「新老人の会」四国連合の企画として「講習会&クリスマスコンサート」が徳島で開催された。前半は、「新老人の会」高知・香川・徳島の代表である内田泰史先生、大原昌樹先生、筆者が健康および文化的な話題について触れた。その中で、常々の生活習慣の重要性についても述べられた。生活習慣とは、食事、運動、休養、飲酒、喫煙の5つが基本となっている。生活習慣病という名称は、1978年に日野原先生が提唱したもので1990年代になって当時の厚生省が正式に疾病名として認めたものである。
 今回の講習会では、日野原先生のスピリットが皆さまとの絆を更に深めたように思われた。コーヒー&ケーキを楽しみつつ、五感を刺激しながら有意義な勉強会となった。

◆喜びを 共に祝おう クリスマス 
 後半は、子供たちのクリスマスコンサート。就学前から高校生まで可愛いピアニストたちが、クリスマスのメドレーを歌ったり、ピアノ演奏したり。不思議なもので、クリスマス・ミュージックが流れるだけで、体が自然とリズムをとり出して心が快活になるものだ。また、子供たちは、ベートーベン作曲の第9交響曲「喜びの歌」をドイツ語の歌詞でも覚えていて、流暢にしっかりと歌い、拍手喝采だった。
 このたびの企画では、クリスマスに関する歴史的な背景についても解説。そもそも、クリスマスは冬至の頃に収穫の祭とも重なっており、クリスマスシーズンとして2週間ほど続いたこともあった。植物にさえ届くとされ、音を楽しむ音楽は、世界中誰もが手に入れられる「音薬」でもある。すでに統合医療や補完代替医療分野でも多くの機会に使われており、今後さらに活用されていくであろう。

(板東浩、医学博士、ピアニスト、https://www.pianomed.org/

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