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中央テレビ編集 


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Dr.板東のメディカルリサーチ No.154
<炎症を抑え 健やかにする食品>

 現代は仮想空間、インターネットの時代であり、ときに炎上が引き起こされトラブルが勃発する。同様に、あなたの身体や健康でもトラブルの元となるのは炎症である。炎症とは、関節が腫れて熱を帯びているようなもの。実は、糖尿病などの生活習慣病や認知症など多くの病気に炎症が関わっている。炎症を抑え健康を保つ食品があり、今回は興味深い内容について、紹介させて頂きたい。

1)ベジファースト
 糖質制限で減量したり、生活習慣病を改善するには、最初に野菜を食べるのがよい。その理由は、食後の高血糖を抑えるから。従来、最初に野菜(ベジファースト、vegetable first)、次がたんぱく質、最後に糖質という順番を推奨したい。
a) ほうれん草:ほうれん草は、ポパイのように力が漲ると評判だ。炎症に対抗するビタミンEが多く、深い緑色には栄養が詰まっているとされる。ほうれん草と油の多いアボガドを合わせるとよい。 b) ピーマン:ピーマンには緑、黄色、赤といろいろな色がある。特に赤色は、特に抗酸化作用が強く、糖分が少ないため推奨される。胡椒と同じように、甘いピーマンには化学物質カプサイシンが含まれ、炎症や痛みも抑えるという。ピーマンを切り刻み、酢や塩、胡椒で軽く炒めるとよい上図)。
c) ざくろの種:多くの食料品店では、パッケージされる前のざくろの種を売っている。まずは果物をそのままを購入し、半分に切って、スプーンで果肉を取り、サラダに加えるとよいだろう。ざくろの種は抗酸化物質として、血圧を下げ、脂質を改善させる中図)。

2)たんぱく質は大切 
 たんぱく質は誰もが毎日摂取したい。卵、肉、魚、乳製品などを含む。
d) サバ:地中海式ダイエットでは中心となる魚であり、サバのローストはハーブ、オリーブ、レモンで味付けると美味しい。サバの脂肪は、心臓病やアルツハイマー病などの高度の炎症反応を抑えるという。
e) そば:蕎麦(ソバ)は、確かに饂飩(ウドン)と同様に糖質のカテゴリーに入る。しかし、乾麺100g中のたんぱく質は、うどんで7.7g、そばで14.1g含む。この含有率は多くの食品の中でも高い。ソバを食べると血中の炎症物質(CRP)が低下するという。欧米ではソバはスープや炒め料理に使われ、米の代用としても使用されてきた(下図)。

3)最後の糖質 
f) 梨:食後のフルーツとして活用される。一方、簡便なサラダとして、ナシのスライスに、チーズやクルミをミックスすると美味しい。ナシのように多くの繊維を含む食物は、糖尿病や関節炎などに効果があるという。
g) 紅茶:緑茶は以前から注目されているが、同じ茶葉から作られる紅茶にも利点がある。紅茶は動脈を拡大させ、抗酸化物質を含み、細胞の障害を予防する。紅茶が卵巣腫瘍のリスクを下げるという報告もみられる。


(板東浩、医学博士、ピアニスト、https://www.pianomed.org/
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