中央テレビ編集 << 先月のコラムへ トップへ >> 次月のコラムへ Dr.板東のメディカルリサーチ No.151 <柔軟性 機能もアップ ストレッチ> ◆ ストレッチが大切 近年わが国では、社会構造の変化とともに、人々の生活には様々なストレスが降りかかっている。そのため、身体に加えて心の問題を扱う心療内科や心身医学の必要性が高まってきた。よくみられる訴えとしては、不眠や頭痛、肩こり、腰痛などが知られるだろう。 この健康問題には、心因性のファクターや、現代人が不足しがちとなるストレッチが関わっている。頚や肩、胸椎や腰椎など背骨を少し伸ばしてみてほしい。すると、頭痛や肩こり、腰痛などの症状が軽くなり、気分もすっきりと感じることに。あなたの毎日が健康感に溢れるようになってほしいと思う。 ◆ポールエクササイズ それでは、ストレッチとはいったいどうしたらよいのであろうか? 今回推奨したいのが、軽い棒とか竹を使って行う「ポールエクササイズ」である。今までスポーツ指導者やリハビリテーション専門家の仲間と一緒にいろいろな活動を行ってきた。英語論文を2篇発表したり、共同研究者の森安氏が国際学会で基調講演を担当したり、さまざまな研究や実践を継続している。 このたび、新しい書籍をまとめた。タイトルは「健康のスタンダードを変える!! 誰でも簡単 ポールエクササイズ」である。そして、棒あるいは竹を使ったストレッチ体操を紹介している。またスポーツ医学的にも、身体の支柱となる脊椎の柔軟性や身体機能をどう考え、どう評価し、どうマネジメントしていけばよいかを議論した。本書は世界マスターズなど国際的にも活用できるように、英語でも解説しており、ページ毎にまとめており読みやすい。 ポールエクササイズは難しくない。身の回りにある軽い棒を活用して、基本となる6つの動作をするだけである。毎日10分少々テレビをみながら室内で行えるため、続けてみてほしい。 ◆心と身体に健康感を アンチエイジング(抗加齢医学)の領域で特徴的な用語がある。まだ臨床症状として現れていない段階にある「未病」、毎日生活していて心身ともに調子が良いなと感じる「健康感」などが挙げられよう。 ポールエクササイズは、家事や雑務に追われている方々、様々な仕事で多少ともコンピュータを使っている多くの人々にもお役にたてるだろうと予想される。近頃は、あらゆる箇所でコンピュータが使われている。そのため、次第にVDT症候群が増えてきた。VDTとはVisual Display Terminalsの略であり、機器を使用したデータ入力作業や、液晶の画面を見ながら作業を長時間続けることで、目や身体、心に健康問題が生じる疾病を指す。現代人の生活では、常に身体および心に健康問題を抱えるような事態に晒されていることに。ポールエクササイズが皆様の健康回復に少しでもプラスとなるように願っている。 (板東浩、医学博士、ピアニスト、https://www.pianomed.org/) 印刷用PDF