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中央テレビ編集 


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Dr.板東のメディカルリサーチ No.144
<この世界 ネットで拡がる 良い機会>

英語論文が世界に 
 この春から夏にかけ、インターネットを通じて、私は思いがけない良いチャンスを頂くことになった。いったいどんなことなのか、簡単に説明させて頂きたい。私の専門は糖尿病や糖質制限であり、2017年2月に私の英語論文がインターネット上に掲載された。近年は世界的な傾向として、雑誌を講読している読者だけが新しい論文を読めるのではない。オープンジャーナルと呼ばれるように、インターネット上で世界中の誰もが自由に無料でアクセスできて、論文を読んだり印刷したりできる時代になった。。
 今まで私が続けてきた仕事をまとめた英語論文が2月にアップされ、その後、いろいろな組織から連絡がくることに。その一つがヨーロッパで開催される国際学会で、基調講演(keynote speech)の依頼が舞い込んだ。メールでやり取りしている中で、糖尿病に加えて、音楽療法やスケートや陸上競技などを含むアンチエイジングの研究も継続中でyoutubeをご覧くださいと説明。すると驚くことに、講演時間について、30分ではなく50-60分自由に使っていいので興味深い講演をと、ありがたい申し出を頂いた。

ベルギーで国際学会
  

ヨーロッパの政治経済に中心的役割を演じているのがEUであり、中心となる事務局がベルギーにある。歴史を振り返ると、当国はヨーロッパ列強諸国の中でいろいろなバランスをうまく保ってきた。つまり、いろいろな国の調整役として適任といえよう。首都ブリュッセルにはヨーロッパ諸国からビジネスや観光で数多くの人が訪れ、多くの言語や文化や生活が混在している状況が普通なのである。
  なお、ブリュッセルを訪れる際には、英国やオランダ、ドイツ、フランス各国から、おおむね数時間で到着できるため、地政学的にも便利であるといえよう。たとえば、日本で東京と大阪間が新幹線で2.5~3時間ぐらいかかるため、ヨーロッパ内での移動は近いと考えてよい。

欧州では糖質制限+地中海式ダイエット 
 日本では従来、糖尿病のためカロリー制限(Carolie Restriction, CR)の食事が出されていたが、なかなか血糖値が低下しなかった。最近は、ご飯やパン、うどんなどを減らす糖質制限(low carbohydrate diet, LCD)が拡がり、私はLCDに関わる研究を続けてきている。
  このたび、LCD+αの発表を無事に終えた。ヨーロッパではイタリアなどで普及する地中海式ダイエットが割合知られる。これは、野菜や魚、オリーブオイルなどを多く摂取する食事法であり、LCDと上手に組み合わせると、今後有用性がさらに認められ拡がっていくものと予想されている。


(板東浩、医学博士、ピアニスト、https://www.pianomed.org/

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