◆プライマリ・ケア医学の全国大会
1ヶ月前、本稿No.138で、プライマリ・ケア医学(総合診療、総合医関連)の全国大会について 触れさせていただいた。今回のニュースは、2017年5月12-14日に、JR高松駅直結の国際会議場において開催された「日本プライマリ・ケア連合学会の第8回学術集会」である。全国からの参加者は4700名に至り、今までで一般演題の発表数も最も多くなった。
私は大会長講演を担当し、今回のテーマである「総合診療が拓く未来~地域に新たな架け橋を~」に加え、長年私の恩師である日野原重明先生からご指導いただいている「サイエンスやアート、音楽療法」などについて解説した。その際、ピアノ演奏をしながら、音楽療法における重要な原則である「同質の原理」に触れ、ビートルズの「ヘイ・ジュード」の歌詞を説明した上で一緒に歌い会場は歌声で包まれた。
◆四県のキャラクターが勢ぞろい
いろいろな企画の中から2つを紹介したい。まず、特別講れたのである。氏の演として、徳島にゆかりがあり、世界に情報発信をしている方をお招きした。徳島県の南部に上板町がある。ここに全国または世界から見学者がやってくるといえば、かの有名な「葉っぱビジネス」を思い出すだろう。歴史を変えたのが、株式会社いろどりの横石知二社長であり、以前には「News
Week(日本版)」世界を変える社会起業家100人にも選出されることに。また、2014年には、徳島新聞賞 第50回記念賞および徳島県表彰を受賞さご講演は感銘を受けるもので、最後のスライドで示されたのは、次の言葉である。「自分が働くことによって周りを幸せにすることができれば、最高の人生である」と。
他方の話題は、大会長講演の直後に行われた「Invited Lecture(招待講演)」である。オスト ラリアから医学教育の専門家お二人をお招きさせていただいた。Paul Worley教授は「General Practice – a primary
role in undergraduate medical education in Japan」を、Lucie Walters教授は「Creating
a postgraduate path to rural generalist practice」についてお話された。
その後、座長として、伴信太郎国際関係委員会委員長と私とを含め、4人で議論を行った。なお、写真は懇親会の場でお二人の教授と四国四県のキャラクターを撮影したもので、最も価値が高くお金では買えないpriceless
presentとなったかもしれない。
◆四国四県ではいろいろな医療が実践
日本にプライマリ・ケア医学の概念を導入したのは、私が尊敬する日野原重明先生である。 そのプライマリ・ケア医学が大きく発展してきており、全国各地で、地域や施設、患者や家族に対応した医療が拡がってきている。
私は大会長講演の中で、四国四県における素晴らしい医療の実践を広くお伝えし、発信させていただいた。その中でも感銘を受けたのが「高知県におけるへき地医療ネットワークである。右図に ご覧いただきたい。
今回の学術大会を振り返ると、3年前に私が大会長を拝命し、その後、四国支部をあげて仲間と一緒に協力して、いろいろな準備を進めてきた。お陰さまで無事に終了し、すべての関係者に感謝申し上げるとともに、ほっと胸をなでおろしている。
(板東浩、医学博士、ピアニスト、https://www.pianomed.org/)
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