◆情報発信はインターネットやTVで
長年続いてきている本コーナーは、現在インターネット上で発信して頂いている。そのアクセス方法について簡単に示す。まず、日本中央テレビ[吉野川市・小松島市]のケーブルテレビ局 (JCTV)のホームページ(http://www.jctv.ne .jp /) に入る。引き続いて、画面の右側に寄稿者コラムの欄を選び、その中で「千言万語」をクリックすると、いろいろな話題が目の前に。読者の方々には、このサイトをお気に入りに登録していただきたい。
さて、先日、JCTVにおいて私の内科医の仕事やスポーツ活動の話題などについて、インタビューしていただく機会を得た。現場には、エコジャ編集部の松本康平氏や以前に四国放送の番組「Dr板東の簡単健康クリニック」でお世話になった宮本武敏氏がおられて、いろいろな話題で盛りあがることに。私の役割は、主に糖尿病の診療に加えて、アスリートとして生活習慣や怪我をしない工夫の啓発などが挙げられる。医学や健康、食事、運動、音楽など、皆様にお役にたてるような情報発信を続けていきたいと思う。
◆芸術文化を広めていく
「情報」という言葉は、小説家や翻訳家、陸軍軍医、官僚、医学博士でもあった森鴎外先生が作られたとされる。そもそも、お世話になっている人の「情けに報いる」ために、必要でお役にたてるお話を手に入れてお届けさせて頂くことといえよう。すなわち、人と人との心の繋がりや絆 が存在するように思われる。一方、現代の「情報」とは、ニュースやインフォメーション、メールの頭にinfo@などの意味あいで使われる場合が多い。人情や人間味はあまり感じられず、単なる文字列や数字などデータの近いのかもしれない。
情報発信について話をしている際に思いだしたことがある。半年前の秋、105歳の内科医である日野原重明先生が主催する「新老人の会」の徳島支部が、吉野川市鴨島公民館で文化講演会を行った。タイトルは「芸術文化の秋~深まりゆく秋
講演とコンサートを楽しみながら 心身ともに 健やかに~」である。内容は、巡礼の駅 「Café聖」、加賀美術館、川端康成の文学、音楽は心の薬、ピアノが奏でる楽しい世界、一緒に歌いましょう、など多岐にわたる内容だった。
この企画で、後援や取材、情報発信など、日本中央テレビ (JCTV)にお世話になった。従来、私どもは医学や健康、糖質制限、プライマリ・ケア医学、音楽、音楽療法など様々な研究会や講演会を行ってきた。そんな活動を通じで思うのは、確かに音楽とは瞬間の芸術で、その時と場所、空間だけで終わってしまうこと。だからこそ値打ちがあるとも考えられるが、少しもったいないと感じることも。そんなとき、大変な労力と時間をかけたプレゼンテーションを収録し再現し、人々の目に触れる機会を作ってくださるのはとても有難い。
◆プライマリ・ケア医学(総合診療)の拡がり
医学の発展とともに、人の身体を臓器別に診る専門医が多くなり、問題点が指摘されてきた。一方、身体や心の諸問題や家族も含めて診療するプライマリ・ケア医学(総合診療、家庭医学)が注目されている。私はこれまでプライマリ・ケア医学を専攻し活動を続けている。
日本プライマリ・ケア連合学会の第8回学術集会が、2017年5月12-14日に、JR高松駅直結の国際会議場で開催され、約5000人の参加が見込まれる。テーマは、「総合診療が拓く未来~地域に新たな架け橋を~」で、小生が大会長を拝命し、数年前から準備を進めてきた。
日本にプライマリ・ケア医学の概念を導入したのは、私が尊敬する日野原重明先生である。少しでも先生に近づきたいと考えており、医学や医療に加えて、アートとサイエンスというマクロ的な視点からも取り組んできたいと思っている。
(板東浩、医学博士、ピアニスト、https://www.pianomed.org/) |