中央テレビ編集 << 先月のコラムへ トップへ >> 次月のコラムへ 美術館からのエッセイ 開館35周年記念展 「キミに夢中♡~学芸員のおしごとと愛しき人間像コレクション~」 先月に引き続き、現在開催中の開館35周年記念展「キミに夢中♡~学芸員のおしごとと愛しき人間像コレクション~」についてご紹介します。 前回は「収集」「保存」「調査研究」の章についてお話しました。今回は、「展示」「教育普及」の章について簡単にご紹介します。 ■展示 本展は美術館全展示室を用いた展覧会です。いつもは特別展を開催している展示室で「展示」の章がはじまります。 展覧会はまさに作品たちの「晴れ舞台」です。展覧会を開催することによって、多くの人々に調査研究の結果や作品の魅力を紹介することができます。そのために学芸員は、通常数年前から準備を行います。この章では、作品に合わせた展示の工夫や、展覧会を作り上げる際に使用する道具などをご紹介します。 アルベルト・ジャコメッティ〈女性立像〉1952年 当館蔵 ■教育普及 展覧会の最後を締めくくるのは「教育普及」の章です。教育普及の仕事は、いわば作品と美術館利用者をつなぐことです。当館では、誰もが気軽に美術に親しんでもらえるよう、展示解説やワークショップなどのイベントの企画や、ワークシートの制作をしています。また、学校教育と連携した事業も積極的に実施しています。この章では、当館の普及の記録や、鑑賞サポートツールをご紹介します。アンリ・マティスの版画集〈ジャズ〉など、子供たちとの鑑賞の中で親しまれてきた作品も並びます。 本展の会期中にも展示解説やワークショップなどのイベントを多数開催します。学芸員のお仕事を体験していただく企画も予定しています。詳細については当館ホームページでご確認のうえ、ぜひご参加ください。 アンリ・マティス〈版画集〈ジャズ〉2.サーカス〉1947年 当館蔵 (展示期間:4月26日~6月29日) 当館が作成した鑑賞サポートツール「ミッツミキ」 ■おわりに 言うまでもないことですが、美術館で働いているのは学芸員だけではありません。展示室内で作品の安全を見守る監視スタッフ、館内を美しく保つ清掃スタッフ、収蔵庫や展示室の温湿度管理などを行う中央監視室のスタッフなど、多くの人が関わって美術館を運営しています。 また、何よりも来館者のみなさんがいるからこそ美術館は成り立っています。これから、当館が40周年、50周年と時を刻んでいく中で、より愛される「人間像コレクション」を形成し、そして、より愛される美術館であり続けられるよう活動していきたいと思っています。 (徳島県立近代美術館 主任学芸員 久米 千裕) 徳島県立近代美術館5月の催し物 ■展覧会情報 開館35周年記念展「キミに夢中♡~学芸員のおしごとと愛しき人間像コレクション~」 2025年4月26日(土)~8月31日(日) 【関連イベント】 ・「展示解説」5月6日(火・振休) 14:00-15:00 ところ 展示室1・2・3 講師 久米千裕(主任学芸員) 参加対象 どなたでも 参加費用 無料観覧日 申込方法 申込不要 ・「ベビーカーおさんぽツアー」5月18日(日) 11:00-11:30 ところ 展示室3 講師 近代美術館学芸員 参加対象 乳幼児と保護者 参加費用 保護者は要観覧券 申込方法 申込不要 集合場所 近代美術館ロビー(2階) ・「あの手この手で触図づくり」5月25日(日) 14:00-16:00 ところ 近代美術館 アトリエ2(3階) 講師 近代美術館学芸員+アートイベントサポーター 参加対象 中学生以上 参加費用 無料 定員 10人程度 申込方法 電話で申し込み。先着順で受け付けます。 申込先 徳島県立近代美術館 088-668-1088