◆AIの話の以前の、私たちホモ・サピエンスの本質論のような話です。
ここ最近の話題は、AIに集中しているようです。とりわけチャットGPTが公開されてより新たな地平に到達したのでは?という思いに駆られています。私たちの日常の思考が定式化され、一定の訓練を行えば、専門家に頼らずとも答えが出せる時代になっているということです。素晴らしいことです。一部の否定的な意見にも関わらず、この流れは止めることは出来ないでしょう。
但し、これらの仕組みは、人間の思考の仕組みを模倣したものなのです。端的に云って、人間論の解釈が「地下水脈」として流れていることは忘れるべきではないでしょう。
前振りがやや、長くなりました。市民劇場の5月例会の紹介をさせて下さい。AIとは無縁の舞台劇のようですが、人間論としては、衝撃的な作品です。

『楢山節考』(ならやまぶしこう)は、深沢七郎の短編小説。民間伝承の棄老伝説を題材とした作品です。山深い貧しい部落の因習に従い、年老いた母を背板に乗せて真冬の楢山へ捨てにいく物語なのです。自ら進んで「楢山まいり」の日を早める母と、優しい孝行息子との間の無言の情愛が、厳しく悲惨な行為と相まって描かれます。
1956年(昭和31年)、雑誌『中央公論』11月号に掲載、第1回中央公論を受賞しています。今から60数年前の作品です。「姥捨て」という日本固有?の風習を正面切って取り上げた小説として多くの論議を呼び、今でも切実な問題として私たちに訴えるものを持っています。
映画化も2度されていますが、私たちの世代としては、1983年(昭和58年)4月29日封切。監督・脚本:今村昌平。出演:緒形拳、坂本スミ子、あき竹城、左とん平、小林稔侍、倍賞美津子、樋浦勉、江藤漢、他に馴染みがあるのではないでしょうか?当時は、あまり意識せず、暗い話として避けて通った話題でした。しかしながら、劇中の年老いた母親と同世代となるに至り、ある意味、切実な問題となりました。
貧困、悲哀という背景もありますが、母親の凛とした姿勢、覚悟には、爽快さすら覚えたものです。現代でも「介護」というシステムがあります。さすがに、生命を絶つということはないのですが、家族生活より遊離させ他人?に世話をさせるということは「姥捨て」と何が異なるのでしょうか?しかしながら、個人的には、年老いたその先には、「施設に入るべき」という方向も選択肢には入っております。家族論、人間論の課題なのでしょう。
さて、脚本の話とは別に劇団についても触れてみましょう。「1980」と書いて「イチキュウハチマル」 、通称ハチマル。劇団ロゴ下記;

横浜放送映画専門学校(創設者=今村昌平 現:日本映画大学)を母体とし、演劇科卒業生が創立メンバーとなって、文字通り1980年に結成。旗揚げ公演は81年『古事記より乞食』(作・演出:藤田傳)。以来、劇団主宰者であり劇作・演出家の藤田傳の作品を中心に舞台公演活動を継続し続ける演劇集団です。新しい視点での「姥捨て」を観てみたいものです。
◆人口頭脳の時代が進んでいます。
先々月、先月号では、ChatGPTについて触れてきました。先月号にて、GPTー4の機能として、データ自体の入力が可能であると、ChatGPT自身が語っています。(下記)。

端的に云うと、画像、音声、光 などのデータが入力可能ということでしょう。医療は勿論、天体観測にも活用可能性が拡がるということでしょう。「現在のチャット形式では運用は難しいようですが、早晩、入力装置も開発されるでしょう。」というのが先月号での内容でした。
◆Minigpt-4 の話。
今月は、こんな話題がありました。曰く;
ChatGPT匹敵する精度とされるチャットAI「Vicuna-13B」と、画像にキャプションを付けられる「BLIP-2」を組み合わせることで、アップロードした画像についてAIと会話できるようにした「Minigpt-4」が公開されました。サウジアラビアのキング・アブドゥッラー科学技術大学に所属する研究者らが発表した論文「MiniGPT-4:
Enhancing Vision-language Understanding with Advanced Large Language Models」は、画像の視覚的特徴を捉えて大規模言語モデル(LLM)で高品質な言語出力を行うシステムを提案したのです。ユーザーは、画像1枚と何をして欲しいかの文章をセットに入力すると、画像に応じたテキスト回答が得られるというものです。
早速、試してみました。
⑴ ;彼女は誰?という質問に、「情報を下さい」という尤もな回答です。

⑵ 彼は賢いのですか?という問いに、「帽子を被っているが、それ以上の情報はありません。」という真面目な回答をしてくれました。

入力された画像から情報を読むという作業が進めば、一番に効果が出るのは医療系でしょう。テキストベースの専門家(弁護士、会計士、税理士)に加え医師系においても置換が進むのではないでしょうか?今後の動向が気になるところです。
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