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中央テレビ編集 


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Dr.板東のメディカルリサーチ No.204
<デジタルで生活医療 変革へ>

◆AIの デジタル革命 世界変え
 21世紀は、急速なコンピュータの進歩で斬新な世界が展開する時代になりそうだ。気候変動からウイルスの世界的感染まで、経済活動やインフラなどが様々な影響を受けている。近年展開している革新技術は、人々が住む地球全体に関わってきた。中でも、日本がリードしているのは、人工知能(artificial intelligence, AI)やInternet of Things (IoT)を活用して、人々における日々の生活の質(QOL)を改善していく分野といえよう。これに関連して医療界におけるビジネスも進化がみられており、AIやIoT、ロボティックス(Robotics)などが発展してきた。
  このような状況で、現代における問題とは何だろうか? 特に日本は、この分野において、世界の中でもフロントランナーであり、対応するべき課題について
図1に示した。

◆本邦の改革 フロントランナーで
 
現代社会には様々な領域が含まれ、各分野でいろいろな発展がみられる。医学・医療・福祉の領域では、患者や治療、ケア、技術が基盤にあり、さらに身体・社会・心理面の展開が加わる。
 その中で重要な因子を
図2に示した。この中で、自然災害の到来により本邦では遠隔医療が普及してきた。また画像解析では、コンピュータ技術の進化によって、近年目覚ましい展開がみられる。我々が行っている画像技術について、紹介させて頂きたいと思う。

◆再構成 技術で血管 詳細に
 日本は高齢社会である。高齢者の割合が増えていくと、次第に動脈硬化による病気が多くなる傾向がみられる。詰まる恐れがある血管として、脳や頚部、心臓、足の血管などが代表的だ。我々は今まで、最新のコンピュータ画像編集技術を用いて、いろいろな部位の動脈病変を描出してきた。
 その中で、このたび足の動脈の閉塞が疑われる患者についてCT検査を行った。その得られたデータをもとに、画像の再構成(reconstruction)という技術を活用して、明瞭な画像を作成した。その結果を
図3に示す。この中で、回転軸を0, 15, 60, 90, 105°とした場合で、血管の閉塞状況を明らかに示すことができた。我々のチームは今後もさらに診断技術を高めていきたいと思っている。

(板東浩、医学博士、ピアニスト、https://www.pianomed.org/

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