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Vol.31 古伊万里風新物について
  古伊万里の新物(時と場合において悪く言えば贋物)は、最近特に某オークションに出ていたり、古美術業界にも出回っていますが、伊万里の新物はそうとう前より作られています。が、その当時は初期伊万里とか古伊万里を写したものが多く、それも一目見ただけで新物と判るものでした。
 しかし、最近出回っているものは、パッと見た目確かによくできています。初期はもちろんの事、藍九谷、藍柿、唐草関係、ものによっては江戸後期のタイプのものも存在します。形的には猪口系統の小物が多く、次に6寸、7寸のお皿です。大皿とか、丼などは、稀に見られますが、数は少ないようです。形の大きなものになると、荒が目立つのが、その理由でしょう。
 いずれにしても、全ての形に対して、ある一定の見破る箇所がありますので、冷静に見ていたら、まず大丈夫です。次回に、その特徴を書いていきたいと思いますので、お楽しみに。。。。。

Vol.32 新物の見所

 先月の続きです。今回は新物の見所と言う事で、ポイントを挙げていきますが、結局は古いお皿と見る時と、ポイントは同じです。

1.まず、土です。
 土は絶対に古いお皿とは違います。古いものと比べて、必要以上に白い場合やエナメル質が掛かった感じのものは注意しましょう。

2.高台です。
 特に釉薬の掛かっていない所を見ます。高台の切り方、或いは特別白かったり、その白い中に少し黒い所があったりするのは、非常に変です。たまに白い粉がまぶしてある感じのものも、新しい物の中にはあります。

3.裏の模様です。
 やはり、蛸唐草が多いのですが、すべて印刷です。ある程度良くできていますが、古いものとは明らかに違います。

4.染付自体です。
 材料が古いものとは違いますので、色合いなどは雰囲気は出していますが、言葉で言うと、さらになじんでいない感があります。図柄を少しぼかしている感があります。

5.絵付けです。
 古いものを手本にしていますので、良く書けているものも中にはありますが、筆のタッチが違います。

6.紅ぶち(茶ぶち)です。
 これも古いものに比べると、確実に違います。

7.目あとです。
 言葉では表現しにくいですが、後から穴をあけている、、、という感じです。

 他にもあるかもしれませんが、以上が代表的な、目の付ける場所です。あとは、実践で目を肥やすしかありませんが、ある程度のコレクターの方は、一目見た時に違和感を感じるはずです。違和感を感じるものに手を出すのは、やめておいた方が無難でしょう。
 いちばん良いのは、やはり信頼できるお店やそのご主人に、その度聞いて教えてもらうのがベストでしょうね。

Vol.33 説明書について

 皆さん、いつもお世話になっております。
 最近と言うか、昔から有る事なのですが、先回も、色々説明しました新物について、昔と違って、お店で直接購入するのが当たり前だった頃に比べて、Netの世界の進歩、又は全国各地で開催されている骨董祭などで、地元のお店の商品しか見る事、買う事ができなかった頃に比べて、催事に足を運ぶ事によって、またはNetを見る事によって、色々な方面の商品をたくさん見ることができるようになりました。それは、それで、便利になったのは確かですが、その反面、新物の流通が頻繁になったことも事実です。
 先にも言いましたが、新物は昔よりありますが、社会の変化により、お客様もそれに対して敏感になってる方もいらっしゃると思います。それが怖くてせっかく興味を持ったのに、古美術の世界から離れて行ってしまう事もあるでしょう。古美術に限らず、どの世界にも本物があれば偽物も有る訳で、これはある意味、世の中の常ですので、個人の力ではどうする事もできません。
 そこで、当店から、この先、Net或いはお店でお買い上げ頂いたお客様に対して、ご希望の方には説明書をお渡し致します。私は、研究家でもなく、鑑定家でもなく、先生でもありません。全国各地に何万軒とあろう業者の一人です。ですから、その説明書にしましても、世の中からみれば、大した物ではありませんが、私とお客様との信頼の糸と言う事で、出す事に致します。ご希望の方は、ご注文の際にメールにてその旨をお知らせ下さい。お願いします。

Vol.34  贋物の氾濫

 しばらく更新していませんでしたが、久し振りに伊万里のお話をしようと思います。最近の問題、、、、贋物問題ですが、最近特に悪質な商品が出回っているようです。その殆どがネットオークションでの出品ですが、数年前までは業者オークションでも出ていましたが、ここ最近私自身は見かけなくなりました。恐らくターゲットを絞っているんだと思います。贋物の質?が上がっているのも確かですが、まだ、画像で判断出来る状態ですが、最近興味を持ち始めた方は、たぶん見抜けないと思います。熟練したコレクター相手ではなくて初心者を狙っているようです。以前にも書きましたが、なんのジャンルにしても本物、偽物は有るのが世の常です。しかし、古美術の世界でそれが氾濫して行くのはいけません。本来、古美術品と言う物は世界の財産になるべき物でなくてはいけないからです。そう言う素晴らしい商品に興味を持って購入出来る方々はとても幸せだと思います。それを逆手に獲ろうとしているのですから、売る側は考えないといけません。そうしないと最悪の場合、せっかく興味を持ち始めた方も古美術から遠ざかって行く可能性もあります。最近「良い品物を買うにはその相手を選ぶ事 、その商品に見合った金額を出す事、そうしなければきちんとした、商品はコレクション出来ない事がやっとわかった」と言うメールが届く様になりました。その方にとってはとても良い事だと思います。ここ数年でホントに世の中便利になって自宅にいながら色んなジャンルの商品が購入出来るようになりました。便利でとても良い事だと思いますが、今回のこのコーナーで題材にした事が氾濫する事があるんですね。ネットオークションで買うなとは言いません。個人の自由ですし興味がある商品は買うべきだと思います。よく評価を見て入札すると聞きますが、評価の(非常に良い)と言うのはごく普通の事と言う事、それと古伊万里に関しては、食器類の細かい金額は別にして、初期、藍柿、藍九谷などの比較的高価な商品、例えば店頭で30万とかそれ以上の価格のついたお皿がネットオークションで落札価格が数万円とかで買える事は1000パーセントありえません。たとえ初買いなどでそう言う値段で仕入れ出来たとしても、それこそ直ぐに業者オークションで売ってしまうでしょう。藍柿などの贋物を買わない秘訣はこれです。よーく画像を見て探して下さい。皆様に気に入る商品が手に入ります 事を切に願っています。私自身も皆様に良い商品を提供出来るように日々精進致します。

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