其の五十七

―  たけのこ掘り ―


   竹林の中、少し湿り気を帯びた土を鍬で慎重に掘ると、可愛らしい穂先が顔を出した。
 傷つけないように、折れないように掘り進める。
たけのこ掘りに誘ってくれた友人家族も、別なたけのこを発見し、夢中になって鍬を振る。
 
 ヨイショ、ヨイショ。 

 誰もが、勢い良く芽吹いた新しい生命と向き合う喜びを感じながら、感謝の気持ちを持って、鍬を振り上げる。
 
 嬉しいなぁ。今年のたけのこ掘りは、格別だなぁ。

 来年も、この竹林に今と変わらぬたくさんの
生命が生まれてほしい。そんなことを考えながら
グイッとたけのこを掘り出した。
 もちろん、今夜はたけのこづくしだ。