其の五十三

―  初日を浴びて ―


 何年ぶりだろう、雪景色の元旦になった。

 昨夜急に思い立って、「明日は初日の出を見にいこう」なんて、珍しく早起きしたのが悪かったのか…。目覚めるとすごい雪。車で眉山山頂に向かうことを諦め、近所を散歩することにした。
 静まり返った町に、サクサクと雪道を歩く私の足音だけが響く。真っ白な雪の上を一番に踏みしめる優越感、後ろを振り返ると、自分の足跡だけが、雪道に残っている。清々しい。
 しばらく歩くと分かれ道。さて、どちらに行くか。右に行くと神社、左に行くと公園がある。今年初の選択に、暫し悩む。
 公園に向うのを決めたのは、たしか東側に拓けた丘があったと思い出したから。ひょっとしたら、見えるかもしれない。足早に雪を踏みしめ公園に急いだ。
 公園には既に何人かいて、歓声を上げていた。あっ! 太陽が雪に反射し、まぶしいくらいの光が昇ってくる。冷え込んだ明け方の空気の中、太陽光の暖かさを、ただただ感じる。
 今年も、光がいっぱい当たりますように。