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其の五十一
― 町内運動会 ―
家族で参加した町内運動会、のんびりしていると、ご近所さんから
「リレー選手になって」と頼まれた。
走るなんて、何十年ぶりだろう。
元陸上部の経験を買われたわけだから、これは是が非でも頑張らねばならない。
一先ず、他の競技で足慣らし。パン喰い競争は、見事な食いつきで
一等賞。賞品でティッシュ1ダースをもらい、妻も嬉しそうだ。
午前中最後の競技、いよいよ地方別リレー予選。
さりげなく他チームの四十代を偵察。
何だ、皆大したことなさそうだ、あっ、息子のサッカーのコーチ……
現役バリバリって感じだな、
魚屋の大田も走るのか、あいつ短距離のエースだったんだよな……
ふー、深呼吸、深呼吸。
ハチマキをギュッと締め直し、スタンバイすると、
ピストルがパーンと鳴った。
十代、二十代、三十代……皆懸命に走る、走る、走る。
我がチームは現在4位。このままでは予選落ち。
バトンが近づく、何としても追い越さねば、
バトンを受け取り無我夢中で走る、
魚屋の大田が目の前で転倒!
学生時代はこいつに勝ったことがなかった、
これで3位、家族の声援が聞こえる。
と、後ろからサッカーコーチが近づく!
負けるか、根性、筋肉痛なんて恐くない、
抜かれる、負けるか、運動会の星になってやる〜!!

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