其の四十九

―  打ち水作戦 ―


  夏休みというのに、毎日クーラーの効いた部屋から出ようとしない子供たちを見かねて、夕方、
「打ち水をしようと」と提案した。

 子供用プールの水を使って、桶とひしゃく、ホース、ジョウロで一斉に
水を撒く。
暑さで乾いた路面から、熱が一気に逃げていくような感覚に、子供たちも大騒ぎだ。
「気持ちいいねー」
「庭も撒いとこー」
「風が涼しく感じるー」

 水を撒き終えた後も、玄関に座りこみ、満足そうな子供たちは、
通りかかるご近所さんにも
「涼しいでしょ、打ち水したんじょ」と得意顔。

 翌日、夕食の準備にかかっていると、外で子供たちの笑い声が聞こえてきた。見ると、二人だけで打ち水を始めている。
「熱は、去れ!」
「風は、内!」

節分みたいな文句だけど、
まぁ、いい、か・・・。
 
 窓を開けると、
涼しい風が入ってきた。