其の四十

― 落葉する ―


  日曜の午後、行きつけの床屋の店主と紅葉の話になった。
「紅葉、綺麗だよね。(チョキチョキ)お客さん、どっか見に行った?」
「見に行くも何も、近所の公園が、落葉の絨毯でね、
これがまた風情あるんだ」
「へー・・・、確か温暖で理想的な環境だと樹は落葉しないんだってね、
でも寒い所の樹木は長生きするために、つらい時期は葉を捨て、
光合成してくれる期間だけ葉を広げるんだってさ。
樹も、ちゃんと考えてるんだねぇ(チョッキン)」
「ふーん…、ねぇ、もうちょっと切ってよ、いつもより短めに」
「あいよ」

 毎年葉を作っては、捨てる樹木の話を聞いて、
自分の髪も落としたくなった。乾燥や冷気が強いときは、葉(髪)を減らした方が耐久してくれかもしれない・・・なんて思ったからだ。