HOME > 連載コラム

中央テレビ編集 


<< 先月のコラムへ    トップへ    >> 次月のコラムへ

IT、ICT、AI な話

◆ 事業再構築補助金の公募が始まりました。 (下図は、公募事務局のサイトロゴ)。


 先月のコラムで紹介させていただいた事業再構築補助金の公募が開始されています。第一回の公募締め切りは4月30日ですので、関係者の方々は、今頃は一段落ということでしょうか?しかしながら、5月中には、2回目の公募が開始されることが公にされています。関係者の皆さんは、休む間もないという状況が当分続くことが予想されます。当然、私達、コンサルタントの出番も多くなることでしょう。この補助金の特長としては、

 1) 資金使途が柔軟、金額規模が大きい
    過去の補助金で認められていなかった「建物建築資金」が対象となっており、加えて、一般規模が
    60百万円と大きい。

 2) 予算規模が大きい
    予算規模が1兆円超となっています。かつて安倍首相が「ものづくり補助金」への予算配分の大き
    さを示す言葉として「1千万円を1万社に」という表現を国会答弁で使っておりました。1千万円
    ×1万社=1千億円となります。今回の補助金の規模は単純計算を行っても、10倍となります。
    大きさが理解できましたでしょうか?日本国政府の覚悟を見る思いです。  

 エントリーとしては、この程度の知識で良い筈です。各種要件はありますが、取り合えず、将来の事業計画を立案されている方は、是非、考慮してみて下さい。

◆ この補助金では、認定経営革新等支援機関が再評価されています。

 認定経営革新等支援機関(以下、認定支援機関)という制度を御存知でしょうか?中小企業庁の説明を示します。

************************************************
 中小企業を巡る経営課題が多様化・複雑化する中、中小企業支援を行う支援事業の担い手の多様化・活性化を図るため、平成24年8月30日に「中小企業経営力強化支援法」(現在の「中小企業等経営強化法」)が施行され、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関を認定する制度が創設されました。
 認定制度は、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等を経営革新等支援機関として認定することにより、中小企業に対して専門性の高い支援を行うための体制を整備するものです。
************************************************

 抽象的な説明ですが、端的に言えば、1昨年までは「ものづくり補助金」の申請には、認定支援機関の関与(要するに押印)が必要ということでした。創設以来7年を経過し、多くのコンサルの先生方は認定審査を受けられています。但し、個人的には、やや、ズボラな性格が原因となって、審査を見送っていたものです。加えて、昨年よりは、ものづくり補助金でも認定支援機関の押印は不要となっていたのです。制度的に、寿命を迎えていたとの認識をしていたのです。 しかしながら、この事業再構築補助金で再評価されたのです。理由としては(個人的な見解ですが)
・この補助金は、電子申請のみ、地域事務局なし
 にあるのでは?と解釈しております。申請手続き、書類についての御世話だけでなく、アフターフォローという事後の実務作業もあります。ものづくり補助金では、各都道府県に設置された地域事務局が大きな役割を果たしておられました。今回は、全国同一の電子申請となりました。足腰が弱くなったという印象があります。そこで見直されたのが認定支援機関の制度だったという理解です。  
 加えるに、個人的には、認定支援機関登録はしていなかったのですが、今回は、登録申請を行いました。このコラムが公開される頃には、申請が認められて広報されている筈です。更に、これも個人的見解ではありますが、「よろず支援拠点」の役割の変化です。この施策は、開始されて8年目となります。アベノミクスの一丁目一番地と呼ばれ、来訪型の経営相談所として活動を行っています。私自身も創設以来の要員として活動を行って参りました。通常、この種類の施策は、平均3年、長くて5年と言われています。8年という異例の長寿となった施策ですが、この再構築補助金を見るにつけ、形は変わるものの、この拠点が担い手として再評価されるのでは?という予想があります。今後も、追跡してみたいと思っております。宜しく御願いします。

◆ 今月は市民劇場の例会の月となります。劇団、民芸です。

 話を変えます。皆さんは、「宇野重吉」「北林谷栄」という二人の新劇人を御存知でしょうか?お二人とも既に故人ではありますが、私達以上の年齢層の方々には思い入れのある人物なのです。更に、「民芸」という劇団を御存知でしょうが、その略称と言えば不知の方も多いものです。「民衆芸術劇場」という意味なのですが、民衆であるとか、大衆であるとかの表現は一定の政治的志向を持つものです。過去、それらの志向を自然な風景として青春を送った世代がありました。そんな頃を思い出せてくれる作品が5月例会です。


 宇野重吉演出、北林谷栄主演による歴史的名舞台です。1963年の初演より400回を超える上演数を誇ります。瀬戸内の劇詩人小山祐士がヒロシマの祈りを美しい詩情と哀感で描いたものです。あらすじは(公演ちらしより)

************************************************
 小さな汽船が行き来する瀬戸内海の小さな島。白い大きな花をつける泰山木。その木の下で質素に暮らすハナ婆さん(日色ともゑ)は、貧しいながらも9人の子どもを産み、戦争中に優良多子家庭として表彰されました。しかし3人の子は戦死、のこる6人の子までも、広島の原爆で亡くしていました。思えば、殺されるために産んだようなものだ――。悲しい体験をもつハナは戦後、人助けのつもりで、頼まれると密かに子どもをおろしてやっていたのです。  
 早春のある日、ひとりの男が泰山木のその家を訪れます。堕胎の罪でハナ婆さんを逮捕しにやって来た木下刑事(塩田泰久)です。御幸署へ連行する船中でハナ婆さんの話を聞く木下刑事も、また誰にも言えない苦悩を抱えていたのでした……。
************************************************

 実は、私自身、70年代の大阪時代、宇野重吉演出、北林谷栄主演の舞台を観た経験を持っています。単なる反戦劇、反原爆劇を超える人間の機微を捉えた名舞台でした。徳島市民劇場でも公演されていたようですが、見逃しています。
 今回は丹野郁弓演出で、あらたに日色ともゑがハナ婆さんを継いでの舞台となります。齢を重ねた自称新劇青年(私のこと)にどのような影響を与えるのでしょうか?
 今回の公演より藍住町総合文化ホールが劇場として追加されます。一度、訪れてみたいものです。