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中央テレビ編集 


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Dr.板東のメディカルリサーチ No.198
<地球では 気候変動 予想超え>

 いま、地球規模で大きな気候変動がみられている。誰もが「今後は本当に大丈夫だろうか」と不安を感じているであろう。この問題に関連して、どのようなファクターが関わっているのか、最近レポートが発表された。その中から若干紹介し、私たちのこれからの生活や社会の方向性を考えてみたい。

◆いろいろな 気候リスクが 急増中
 気候関連のリスクには、ハリケーンや洪水などの急激な気象変化、降雨の変化、干ばつや洪水の長期化、山火事(野火)の増加、海面上昇など、種々の変化が含まれる。世界的気象変化について、最近10年間の増加を
表1に示した。
 10年前環境に対する認識を端的に表した言葉が「All talk, no action」。多数の人が気候変動は重要だと述べたが、実際の行動はなかった。今後さらに変わっていくだろう。

◆環境の 変動因子 注目し 
 注目されている気候変動の詳細を
図1にまとめた。かつて気候変動の関連用語が様々な企業48%から発せられていた。2021年には91%に跳ねあがり、国際的対応が期待される。サステイナビィティは27%から80%に、再生可能エネルギーは15%から37%に増加した。このように、歴史は変容しつつある。

◆人間と 社会と地球 関連し
 ヒトは動物から猿人→原人→人類へと進化し、現生人類は一人でなく家族→組織→地域へと社会を作り上げた。各文明が起こり、言語や知性、技術、経験を統合することで、五大陸から地球まで管理するレベルになった。ただ、気候変動を含む地球環境は激変しており、元に戻せない段階まで達したようである。 従来、人間と社会と地球という3つの因子で総合関係を検証する方法が知られてきた。
図2に示したように、
 ①人間には健康や信条、価値観などが含まれ、
 ②社会には政治、経済、技術、産業、ICTなどが含まれ、
 ③地球には環境、気候システム、資源、エネルギー、生態系(人間、動物、植物などすべて)が含まれている。
 はたして、従来進めてきたこの方向性は正しかったのだろうか?今後は、逆の方向に考えていくべき時代が到来しているかもしれない。あなたは、どのように考えるだろうか?

(板東浩、医学博士、ピアニスト、https://www.pianomed.org/

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